20度。
今日の仕事はしろくまの厩舎。
気温はいつも20度に設定されています。こんど、新しくアラスカからくるので、その居室の普請に追われていました。そんな仕事なので、今日は朝は遅かったのです。
10時ごろから、コンクリートをこね始めました。今度来るのはメスなので、ちょっとしたプライベートスペースが必要なのです。その必要性にはうなずけますが、こんな仕事はプロに頼むべきで、私のようなものにやらせるはどうかと思いました。
わたしは当然、まったくの素人で、ブロックを積んで、コンクリートで固めるなど、実家で父親の鳥小屋作りを手伝ったとき以来です。あの時は近鉄バッファローズの帽子をかぶって手伝いました。兄はライオンズでした。
作業自体は楽しく進みました。しかし、20度という室温が意外に曲者です。
20度というのはあまり寒くない、いや、むしろ暖かいと考えがちです。しかしながらエアコンで作られた20度という気温はとても寒いのです。一生懸命動いているうちはいいのですが、ちょっと汗がひこうものならとたんに寒くなります。しろくまの居室をコンクリートでブロックを積むという作業はその中途半端さにおいて、並ぶもののない仕事です。
終わるころには同僚とかわるがわるくしゃみをしていました。
今度来る彼女は、とても美人だと園長が言っていました。寝て待っているだけで、美人と暮らせるという、厩舎の中の彼らを少しうらやましく思いました。