手すり

おれブログかく。

 昨日の夜、父親から電話がありました。

 「横浜まで、バイクを見に行くから、付き合え。」とのこと。

 当年とって、五十六歳。バイクを買うつもりでいるようです。

 何を買うのかとたずねたところ、一言、

    「ZⅡ

 ・・・あほな父親を持つと、息子は大変です。

 とりあえず、私の友人を誘い父親の迎えで、横浜へ。セリカで。

 道中を何度も間違えて、やっとのことでバイク屋につきました。

  目的のバイク、ZⅡはお店の中で、一段高いところに鎮座していました。

 外見はとてもきれいで、およそ20年前のバイクとは思えません。

  父親は手にもった紙袋から小さな鏡を取り出し、

 「見てみろ、下もきれいだ。」と、マフラーの下を鏡に映して感心しています。

 私は父親の周到ぶりに感心しましたが。

  その他、ペンライトでタンクの中などを一通り見て、父親は相当気に入ったようでした。


 まさか、買いはしないと思いますが。ええ。買ったら、アホです。


  帰り道も順調に渋滞に巻き込まれ、途中で三人で中華料理を食べました。

 この中華屋がまた、70年代剥き出しの中華屋で、今にも松田優作が出てきそうな感じでした。



 家まで送ってきてもらって、父親が去ったあとに友人が、

 「おまえと九割方同じ人だな。」と言っていたのを聞いて、うれしいような、残念なような気になったのでした。