手すり

おれブログかく。

スパゲッティに対する態度

 私がスパゲティを最初に意識したのは、通っていた保育園にゾウの形のすべり台が登場し、盛んにすべりまくっていたころでした。

あのころ(昭和50年代後半)は、スパゲティといえばナポリタンしかないころで、当時ピーマンを苦手としていたわたしは、スパゲティにに対して「あの世からの使者」に接するのと、同じような態度で迎えていたように思います。

 その後、壁の穴の出現などにより、スパゲティがバリエーションを見せ始め、「どうやら、ピーマンのないスパゲティも日本に輸入されているらしい。」と、小学校の帰り道、友達に話したのでした。が、そのとき、友人は、「密輸だ。」と言ったのです。
 品行方正を地で行っていた当時の私は、友人の話をテンから信じ込み、「密輸はよくないな。」と言いました。


 時は流れてなぜか大学に入学。継続的なアルバイトの必要性に気づいた私は、友人の紹介でスパゲティ屋でアルバイトをはじめました。そのころには「ピーマンなしのスパゲティ」が合法になっていたので、私は大手を振って働きました。
 まかないは当然スパゲティです。

 日本人成年男子が一年に食べる量のスパゲティを1ヶ月で食べ、日本人成年男子が一年に食べる量のかびの生えたケーキを、5秒で食べました。

 四年間も働いたものですから、「まかないで食べてるから、食べたくない」というステージを軽く越え、「え? スパゲティ? 主食ですけど?」というところまでいきついたのです。



 それ以来、私はスパゲティに対して、厳しくも暖かいまなざしを持っています。千尋の谷に突き落として、這い上がってきたスパゲティだけを食べたいと思っています。