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　昨日、今日と帰りが遅いのは、仕事のせいなのです。今の仕事は梅干にする梅の作柄の調査です。年々減ってゆく梅干の生産にてこ入れするために、実地調査をしているのです。
　昨日、今日は群馬に行っていました。当初の予定では、２日間で十分終わる予定だったのですが、連絡ミスで訪問予定の農家が半分とすこしぐらいしか名簿に記載されていませんでした。発覚したのは昨日のお昼過ぎ、最悪です。
　群馬の調査は初めてなので土地勘もなく、移動に多くの時間がかかります。今日は調査を終了したのは8時過ぎ、それからレポートをまとめたのでこんな時間になったのです。
　しかも上司はレポートの品質に厳しい人で、少しでも気に入らなければ説教が始まります。「梅の将来は俺たちにかかっているんだぞ」というのが彼の口癖ですが、社員のみんなは「梅の将来なんて、ガムテープの将来ぐらいにしか、気にしてないよ」と、陰で醒めたことを言ったりしています。
　わたしはもう少し気にしていて、それはちょうど、横浜港につながれたままの、氷川丸と同じくらいだと、思うのです。