手すり

おれブログかく。

 今日の仕事は、北関東の絶望的な田舎町。関東ローム層という懐かしい響きが頭の中を掠めます。大体において、赤土というのは硬くて、井戸を掘るには手間がかかります。

 今回の仕事はボスが個人的なコネで引き受けたものなので、本来ならこんな遠くまで、さらに固い赤土に井戸をあけるなどというのは断る仕事の急先鋒です。

 一緒に行った先輩は関西出身なので、関東平野の広さに感心してました。でもそれも行きの車の中だけで、すぐに地平線見渡す限りに続く畑に嫌気が差したようでした。
 
 仕事自体は、土が乾いていたので水のにおいが際立って、場所決めはすぐに終えました。しかしいかんせん土が硬いので、機械の進みがよくありません。今なので掘るのは機械任せですが、待ち時間が異様に長くなりました。

 その間、施工主のおばあさんがお茶とブルボンのルマンドを持ってきてくれました。

 ルマンドを食べたのは、数年ぶりです。 ブルジョワ菓子No.1の、ルマンドです。このお菓子はなぜか金持ちのにおいがします。

 値段とか、そういう問題ではなくて。

 それを食べて、おばあさんの畑の話を聞いて、おばあさんがいなくなって、先輩がこの間いった風俗の話を聞いて、やっと水脈に到達したらしく、ボーリングの脇から泥水が出始めました。

 泥水は赤々としてます。さすが。

 とりあえずの処置をして、われわれの仕事は終了です。帰りの車の中で先輩が、

 「こんなに見渡す限りの地平線があると、向こうに何があるのか、気になって仕方ないな。」

 といっていました。

 私は、それを聞いて、先輩が行った風俗の女の子がどこの出身なのか、こんな土地の子なんじゃないかって、なんとなく思いました。

 彼女も、何があるのか、気になったのでしょう。