十二指腸潰瘍で一週間ほど入院してました。
月曜日の朝、起きてみるとふらふらして10歩ぐらいしか歩けなくなった。トイレで吐いたら真っ黒だった。何食べたっけと思えばビビンパで黒くない。ついでにウンコも恐ろしく黒い。あー、これはヤバいわ。とおもったけど、前の週は出張でオフィスにでてなかったから、会社に行くことにした。けど体が動かないから遅刻させてもらって、タクシーと電車とタクシーでどうにかして行った。きっと社畜オブザイヤー2013はおれだなとタクシーで考えてたら、ワンメーターなのに万札出してからに、運転手さんに驚くほどに罵られて死にたくなった。
ヘロヘロで会社に行って、3本ぐらい電話したけど、何も考えられない。「便 黒い」とかで検索したら潰瘍の疑いありと、Yahoo知恵袋が教えてくれた。大切なことはいつもYahoo知恵袋が教えてくれる。あの時も、そしていまも。2時頃課長におれ帰るわ、って言ったと思う。この辺りからあまりいろいろ覚えてない。帰りもタクシーで東京駅行って、そこから京浜東北線で帰って来たのだけど、寝過ごして北浦和に行って絶望した。それでも死なないで浦和に戻って、そこから家に帰る途中にこぎれいな病院があるのを知っていたので、そこに滑り込んだ。
そのときにはもうウンコが黒いことで頭がいっぱいだったから、受付で「どうされました?」と聞かれた時も「便が黒いんです」って言ったら「わかりました」ってそれ以上何も聞かずに受付をしてくれた。
診察ではウンコの話をして、まずは点滴と血液検査ということになった。そのあと胃カメラを初めて飲んだ。胃カメラの段取りを説明書に挿絵があって、それが吾妻ひでおみたいな絵だったから、すごくしっくりしてる。吾妻ひでおいまは元気かな、と思った。
左側を下にして寝て、マウスピースはめて。ホリエは泣くが胃カメラは進む。みんながいやがる胃カメラだけど、いわれたほどの嫌悪感はなく、案外冷静にやれた。涙は出たけど。
むかし、実家に飼っていた猫でタマというのがいた。首元に大きな切り傷を作り、血を流しながら実家にやって来た。それをみた両親はあわてて獣医に連れて行った。タマは全く抵抗することなく、静かに治療を受けていたらしい。その後晴れて我が家の猫となり、近所の顔役として天寿を全うした。というのを胃カメラを飲みながら思い出してた。
胃カメラを抜いて、お医者さんが「ホリエさん、入院しましょう」というのを聞いてホッとしたのか、それ以降、夜8時過ぎまで寝てしまった。
8時頃、麻酔が切れたのもあってか、起きた。病室のベッドの上でわきにおくさんがいて驚いた。どうやらおれが呼んだらしいけど覚えてない。そのときには奥さんはすでに着替えとかを持って来ていて、かばんに何が入っているのかとか、そういうのを教えてくれたけど、一切理解できなかった。意識はまだハッキリしないけど、社畜オブザイヤー2013のおれだから課長に電話して、入院するからって言って、吐き気がしたからまた吐いて、その日はもう寝たと思う。
入院2日目になって、状況を理解し始めた。十二指腸潰瘍であることと、それによる出血が多く貧血状態になっていること、知らない間に院内着に着替えてさせられていたこと。
おくさんが夕方来たのでいろいろ聞いたら面白かった。おくさんは仕事が終わってlineをみたら「とにかく病院に来てくれ」というメッセージとか、なんて言っているか分からないの留守電とか入っていて、慌てて病院に来たと。お医者さんから説明を受けて初めて十二指腸潰瘍で命に別状なしと聞いてホッとして泣き出したらしい。それで携帯見たらおくさんに病院の名前とか送っているけど、何も覚えてない。
2日間ぐらいは点滴だけで暮らした。来る看護士さんが皆、おくさん号泣でしたねといっていたので、だいぶ泣いたんだろう。院内着で点滴のポールを押しながらトイレに行くとなんか、おれも入院したんだなって実感が湧いて来る。
もう一度胃カメラを飲んで、経過を観察した。初めて自分の十二指腸の写真最初のときと比べて見る。前回の出血時の写真があまりにすごい。マジで赤い血が出てたようだ。それも止まって、露出していた筋肉も粘膜で包まれたのを確認した。
食事は重湯からスタートした。最初の食事は衝撃的だった。
最初は重湯とだし汁だけ。ここからだんだんおかゆの粒が立って来て、おかずも増える。
看護師さんは総じて親切だったし、食事もよく聞く悪口ほどには悪くないと思った。院内もきれいだし。看護師さんのお仕事は初めて間近で見たけど大変そうだ。ひとり入院患者でおじいさんがいて、この人は看護師さんを呼ぶのにナースコールを使わないらしく、大声で「おおおおーい、看護婦さーん」と呼ぶ。しゃがれ声で。夜中でも朝でも。そういう人にもきちんと対応する忍耐強さに感動した。
入院中は本を読んだり、スマホいじって暮らした。本は民俗学にかかる本を読んだ。今回の入院で最大の収穫は、柳田民俗学の限界を知ったことだった。あと、youtubeでバングラデシュとムンバイと台北とバンコクの屋台料理の動画を見すぎて、LTEの従量制限を超えてしまった。
退院したのは朝だった。おくさんが持って来てくれた着替えは、先日太ったことを受け入れて買った、いままでよりウエストがワンサイズ大きなパンツだった。けど、入院中にやせたのでブカブカだ。しかも家の鍵をおくさんに間違って渡してしまったために家に入れなかったので、そのまま、ブカブカのパンツで漫画喫茶に行く羽目になった。吾妻ひでおのアル中日記があったからちょっとだけ読んだけど、気分が悪くなったから止めて、夕方におくさんと家に帰った。
ホリエ家in鹿児島。
おくさんと行った。
鹿児島には、姉夫婦が住んでいる。ぜひ遊びに来てくださいと言われてその気になって行ったら、姉夫婦はなぜか与論島に遊びに行っていなかった。ホリエ家あるある。というわけで、おくさんと、二人で回った。
それでも姉の旦那さん(義兄)は非常に親切なひとで、レンタカーと宿とレストランを奢ってくれた。さらに行程表も作ってくれていて、まじで義兄すごい。義兄!
おくさん含めて鹿児島は初めて。鹿児島名物と言われても長渕しか思いつかない。SAKURAJIMA。桜島をローマ字で書いてしまうのは、長渕さんの影響ですからね。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1311072473
http://www10.plala.or.jp/y_you/nagabuchi.html
(すごいな。Captain Of The Shipって歌うと酸欠になるんだ・・・。)
1日目
JetStarで行くため成田空港へ。成田空港の国内線ターミナルは昔の羽田空港国際線ターミナルみたいで、疎外感がハンパじゃない。恐ろしくなって一度引き返して、マクドナルドでご飯を食べてから乗った。車を借りて市内のホテルにチェックイン。そのあと天文館をうろうろしながらホットドッグを、おくさんは「かるかんソフトクリーム」というのを食べた。一口もらったけど、よくわからなかった。
天文館はけっこう繁盛していて楽しかった。目抜き通りの真ん中にシロアリ駆除の会社が立ってて、すごいインパクトだった。ビル壁面に「永田 シロアリ」という文字と、シロアリの絵が。シャッターには「殺し屋参上(商標登録)」って書いてある。
http://www1.ipdl.inpit.go.jp/syouko/TM_DETAIL_B.cgi?1&1&1&1&1&137940360329723704448320
あー。これこれ。すごいな。
晩御飯は「あぢもり」というお店で、黒豚しゃぶしゃぶ。個室だったから誰に気を使うこともなく、思う存分しゃぶしゃぶした。コースになっていて、途中に出たちいさなヒレカツもおいしかったよ。そのまま白熊を食べて、ホテルに帰って寝た。
2日目
車でまずは仙巌園という島津家のお庭にゴー。鯉にエサをあげて、抹茶飲んだ。錦江湾を見渡せば、すぐそこにSAKURAJIMAがモクモクってておもしろい。おくさんがずっと「さくらじまどすん」って言ってたけど、放っておいてご飯を食べに行った。
ご飯は「花ん華」という分かりにくい名前のお店で、奄美鶏飯をたべて、ドラゴンフルーツを使った「赤熊」というかき氷を食べた。ドラゴンフルーツってうまいね。鹿児島は白熊の影響で、いろいろなかき氷に「○○くま」という名前がついている。赤熊っていわれると赤カブトかと思うよね。
そのあとは知覧に行って武家屋敷。自分の家の庭をほったらかしにしておいて、他人の庭にケチを付けるというぜいたくを味わった。屋敷道には2匹ほどの猫がいた。鹿児島の猫は皆ガリガリだとおくさんが言っていたのだが、確かにそうだった。あと、すぐ寝っころがる。持ち上げてもぼんやり、だらりとしてる。
宿はいわさきホテルという、古風な70年代テイストの色濃く残る巨大ホテルだ。設備がすごい。ボーリング場、ゲームセンター、麻雀、プール、ラウンジ、裏にビーチ、砂蒸し風呂。昔、あばれはっちゃくという小学生が主人公のドラマがあって、かならず夏休みに家族旅行に行く回があった。鴨川シーワールドとか、伊東のハトヤとか、家族みんなで行って、それぞれいろんな遊びをして、ひと騒動っていうの。そういうのを思い出した。次行くなら、一族郎党引き連れて、ホリエ家御一行様で30人ぐらいでいかないと、このホテルは楽しみきれないかもしれない。大宴会場のステージで、ボーリングの球を並べて、ビーチの浜辺でピナコラーダ蒸し麻雀したい。
さらに当然、ホテルは広すぎて意味が分からない。迷子になったら最後だ。実際奥のほうに行くと白骨がいくつかあった。さだめし、行き倒れであらう(うそです)。
3日目
午前4時に起きて奥さんを寝かせたまま、ひとりでホテルを出て開聞岳へ。真っ暗の中、トンネルとかあるから怖いじゃないか。5時ちょうどぐらいにふもとの駐車場に着くと、2,3組が登山の準備をしてる。すぐに出発したかったけど、まだ予想以上に暗かったのでしばらく暇をつぶして、5時半ごろに、暗いけど我慢できなくなったから決行。
開聞岳は標高が924メートルと高くないし、暖かいところのお山なので森が深い。ということは、あまり登山路からの眺望が望めないということなので、ひたすら足元を見て登りつづける。えっさほいさ。やっと景色が見えるのが5合目の休憩所。朝の光に薩摩半島が一望できる。5合目最高。
そこからやっとやる気になったので、ペースを上げて7合目。7合目は海に向かっての展望なのでこれまたすごい。海しか見えない。おら、やま登ったのに、海しか見えねえずら。そこからはまた、ひたすら登って7時20分ごろ山頂。山頂は海風がきつく寒かったので、早めに下山。
帰りに鰻温泉という最高にクールな名前にお湯が素晴らしい温泉を見つけたので、お風呂を浴びてホテルに戻った。それが10時ちょうどぐらいで、おくさんはまだムームー着てたし、まだ寝てた。
ホテルをチェックアウトして、道の駅へ。買い物に鼻息を荒くするおくさんをなだめながら、お弁当を買って食べたりした。空港で姉夫婦が見送りに来てくれたので、お互いに土産話を交換して、40分遅れの飛行機に乗って、羽田に帰った。台風一過の東京上空はどこまでも清潔で、富士山がきれいすぎて嘘みたいだった。
羽田からは、さいたま新都心行きのリムジンバスにのって帰って、そこから電車で浦和に帰った。さいたま新都心の駅の分かりにくさに感極まった。
最後にホテルではしゃぐ奥さんの写真を持ちまして、私からの挨拶とさせていただきます。
Blonds have more fun
チャニング・テイタム(CT)はなかなか良い役者じゃないかと思います。
観に行ったのはMagic Mikeという作品で、男性ストリップに励む男たちの生き様を描いた作品です。どすこい。
じつはCTはモデルとして拾われる以前に、実際に男性ストリップでストリッパーとして出演していたことがあるらしい。それを自分で映画化したというわけです。
詳細はこちら。IMDB http://www.imdb.com/name/nm1475594/bio
こういうのがアメリカの面白いところですな。日本でも井上さん主演でキャバクラものとか、だんみつさん主演でおくりびととか、やったら面白・・・でもないか。
主人公マイクはアメリカのアリゾナ州タンパでストリッパーをやっている。気味の悪いマッチョの辣腕経営者、ダラス(マシュー・マコノヒー)とは表面上うまくやっているがお互い本音では信頼していない。ある日マイクは19歳のクソガキ、アダムを拾ってくる。典型的なほどに破滅的な若者で、マジでアホすぎて付き合いきれない。本当は家具デザイナー(笑)になりたいマイクの明日はどっちだ?マイアミか?マイクは家具デザイナーになりたいようだが、ポートフォリオを見るに、まったく才能がない。そこが泣ける。
CTは期待通り苦悩しっぱなし。おそらく今のアメリカ女性は苦悩するCTを見てキャーキャー言っているのだろう。彼の最新作Side Effectでも苦悩する姿が観られるはず(監督は同じソダーバーグさん)。
一方、マシュー・マコノヒーはかなりのキレ。ストリップも踊るし。さらにエンドロールがやつによる作詞作曲の歌で終わった時にはびっくりした。マジで気持ち悪い歌だ。
秘宝がいう「野郎脱ぎ映画」の究極を見たい人は劇場へどうぞ。マッチョが脱いで脱いで休んで脱ぎまくりますので、女子は特に。
ちなみに映画をみてて気になったのが、女子の髪の色について。今回の映画では主人公マイクは二人の女性にであう。ひとりはブロンドの医療事務の女の子。もう一人は精神科医志望の大学生でブルネット。ブルネットの女の子がブロンドの女の子を見て、「素敵なひとね。ブロンドだけど。」と言っていたのだ。
何かと思ってYahoo知恵袋とかを見てみたら、ブロンドはちやほやされるらしく、「明るく派手な性格だけどちょっとバカ」という先入観があるらしい。だからブルネットの女の子は妬いてそんなこと言ったわけだ。ブロンドの女の子Cody Hornっていうんだけどいい感じだった。
四谷にあるんだよ。
奥さんはいろいろ観て歩くのが好きらしく、たまに調べてる。今回は迎賓館に申し込んでいたので、一緒に行って来た。
迎賓館は四谷にある。建物が豪華なのはわかるけど、字の画数も多いです。
むかし神楽坂に住んでいたときにはよくその前を自転車で通った。迎賓館自体よりも、その前で写真を撮るどん詰まり感のあるおじさんと、写真を撮られているコスプレ姿の女の子の方が記憶に残っている。あのおじさん元気かな。べつに元気じゃなくてもいいけど。
迎賓館の公開はボランティアで運営されていて、みんなテンションが高い。いくつかの部屋を観られるんだけど、部屋についてのうんちくを、まるで自分の家の話かのように語る。
感想としては、部屋はすごい豪華なんだけど、どちらかというとお庭の方が楽しかった。噴水がでかい。マジで。
噴水って初めて考えたひとは、「水をバーってだしたら面白くね?」って思ったんだろうけど、おれだったらそのアイデアは却下するよ。話で聴いただけじゃすごく面白くなさそうだもん。でも迎賓館の噴水はすごかった。バーってなってました。
見終わったあとには、四谷のインド料理屋さんでカレーの定食を食べた。奥さんの職場の近くだから、奥さんはサービス券をサッとだしてラッシーを頼んだ。差を付けられたかと思ったけど、結局ランチのサービスでラッシーはつくらしく、なんとか夫婦の危機を脱した。
帰りは奥さんと二手に分かれて、新宿でスニーカーを数年ぶりに買った。以前はずっとファミリーセールの出店でNewBalanceを買っていたのだけど、その出店はないから、きちんとしたお店でまたNewBalanceを買ったのだ。ビブラムソールだから長持ちするはず。
メガネの上にメガネをかけて
マン・オブ・スティールを見たよ。IMAX3D2200YENTAKAI.
面白いといえば面白いが、まあ、ふつう。
映画のストーリーは、クラーク・ケント(カル・エル)の生まれから33歳で使命を知るまでの彷徨と最初の敵(ほんとの親父の仇)との戦い。幼年期から青年期での超人的なパワーによるエピソードは大体凡庸だけど、炎に包まれても胸毛すら燃えないのには感心した。
よかったと思うのは、クラーク・ケントとして育てる父親(ケビン・コスナー)とのやりとり。父親は息子に、力の使い道を自分で使命を知るまではその力を秘するように教育する。その教えは徹底していて、父親は自らの危機の際にも息子に力を使わないよう制したりする。そのシーンのケビン・コスナーがすごい格好良くて、華があったなあ。そこが一番の見所だった気がする。ケビン・コスナーが南部の農家のおっさんなので、トウモロコシ畑に野球場作り出すんじゃないかとひやひやしたけど、そこは大丈夫だった。
戦闘シーンは、すごいけど、最近はインフレぎみじゃね?ドラゴンボールと北斗の拳を足してグラップラー刃牙を隠し味にしたような戦闘シーンで、まあ、すごいですね。という感じ。カメラ揺れすぎの助。
むしろゾッド将軍ももう少しキャラクター掘り下げてあったら楽しかったかも。ゾッド将軍、やることはひどいけど、クリプトン星人のために動いていたんだから、そこの理念の対立的な感じで、日本のアニメによくあるように議論しながらなぐり合うとか、どうだろ。
あと気になったのは、美術がエンジェル・ウォーズと似た感じでなんか、飽きる。
見終わった後の感じとしては、ミスターアメリカだと思っていたのだが、あまりエメリッヒみたいなアメリカ万歳感が少なかったので、わかりやすいカタルシスがない。今回は異星人でありながら地球人の心を持つものとして、どう生きていくのかに関する所信表明演説みたいな映画ですな。
デイリー・プラネット新聞社に就職できたから、続編では文化部に配属になって究極のメニュー作りをするんですよね。
こんなのは本当の小龍包じゃない。ちょっと待っててください。今すぐ中国に行って買ってきますよ。
もりもり盛岡
一泊二日で旅行に行ったら仙台と盛岡だった。
大学の時の友達が旅行に行くというのでついて行ったのだ。土曜日の朝、6時過ぎの新幹線に乗ると8時前に仙台につく。8時にレンタカー屋さんの前でMとHと待ち合わせて、車を借りる。当初はMがドライバーのつもりだったのだが、免許証を忘れるという1回表からナイスプレイ。だからおれが運転手。Mはそれにもかかわらず、おれの提案した牧場行きを8秒で却下して、まずは松島に行くことになった。
松島は相変わらず島だらけで、とりあえず長い橋を渡ったら200円した。そこでまた牧場の話をしたけど、また却下されて、牧場を通り過ぎて、花巻温泉に浸かることになった。
途中で運転を代わって、後部座席に座ったらHが買った「チップスター バターしょうゆ味」があったので、食べ始めたら止まらなくなって、ひとりで全部食べたら怒られた。飼い主に残されて留守番になった犬が、座布団をめちゃくちゃにするのはこんな感じだろう。
花巻温泉は紅葉館というところ。大きな旅館だけど、わびた感じでよろしい。お湯がよくてゆっくりした。露天風呂があるんだけど、そこに出るにはお風呂の中からでないと出られないのが、斬新な間取りだと感心した。一人おっさんがいて、サウナと水風呂を往復していたのだが、温泉に来た意味がないのではないかと心配になった。
今度は、おなかがすいたのでそばでも食べようと話をして、わんこそばで有名な店に行った。けど、わんこそばは高いし面倒くさいから、わんこそばを食べる人を眺めながら天ざるを食べた。天ざるを食べながら、焼き肉の話をした。盛岡にはおいしい焼肉屋さんがけっこうあるらしく、そういうところで冷麺を食べてはどうかという。それ以降、車の中では焼肉屋さん検索大会になって、途中でコーヒーを飲んだけど、そこでもみんなスマホとiPadとiPad miniを出して「盛岡 焼肉」ってやっていた。HのiPad miniは外付けキーボードがついてたから現代っ子っぽかった。
結局、「肉の米内」というところに心を決めて、焼き肉のことを考えながら、さんさ祭りに湧く盛岡に向かったのだ。
宿に着いたのは6時過ぎで、7時過ぎにさんさ祭りを冷やかしながら米内へ。
その頃一方、id:noguchi8は東京での用事を終え、新幹線で一路盛岡を目指していた。
盛岡はさんさ祭りという、太鼓を持って踊るお祭りでごった返していた。そのため焼肉屋さんはどこも予約でいっぱい、米内は予約を受けないといっていたのです。9時に行って並ぶこと30分。果たしてid:noguchi8が現れて、パーティは揃って、焼肉屋に突撃した。
牛タン3人前
ロース2人前
カルビ2人前
ホルモン1人前
ラム2人前
クッパ1人前
ライス1人前
冷麺1人前
アイス1人前
ビール数杯
うまい。うますぎる。この中では、牛タンとロースとカルビとホルモンとラムとクッパと冷麺がおいしかったです。また食べたいです。
そこから、Mが口コミ情報で教えてもらったモルト専門のバーにみんなで訪問。恐ろしいほどの品ぞろえで飲むものに迷うことしきり。とりあえずタリスカーをソーダ割りでもらって時間を稼いで、50年前のスキャパをハーフ(\2,000也)で頂いた。うまい。うますぎる。
お話を伺うと、ブラックボウモアというのが1杯4万円するらしいのだが、昨日飲まれたお客さんいますよ、とのこと。モフー。
そのあとはシェリーをもらっていい感じに酔っぱらって、北上川のほとりを歩いて帰った。
翌朝、なぜかnoguchi8からモーニングコールがかかってきた。他の二人にもかかって来ていたようで安心した。
2日目は地道なロビー活動の結果、牧場に行ってよいことになった。サヨナラ盛岡またくるよ。
南下する車の中で、みんなの持ってる音楽をかけまくった。おれのスマホで「リフレインが叫んでる」をかけたら、Hが「泣きそうだからやめて」っていったのがおもしろかった。リフレインって外人の名前だと思ってた時期があります。あと「人間ドック」って、いやいいや。そのあとHが静かだったから何してるのかと思ったら、焼き肉の写真を見てた。
牧場では羊を触って、アルパカを眺めて、馬に乗って、ウサギを見た。さらに「アニマルメロンパンづくり教室」にエントリーした。結局、奇怪なメロンパンを作った。講師の人が、おれのつくったメロンパンを何も言わずに紙袋に入れた。何か言ってくれよ、何か。
仙台に戻る途中で、Mが「海が見たい」というので塩竈で寿司を食べることにした。岸壁では釣りをしている人が結構いたけど、釣れている人は見なかった。
最後、風呂に入って帰ろうという運びになり、駅前のホテルのスパへ。バスローブに身を包んで、夜景のきれいな、ヨドバシカメラが綺麗に見えるラウンジで水を飲んだ。駅でお土産を買って、居酒屋でホヤを食べて帰った。おれの作ったメロンパン・カオス・スペシャルは新幹線の中で食べた。
今週末に引っ越しをするんだよ。
引っ越しをするのはマンションを買ったからだけど、マンションを買ったのにさしたる理由もない。とにかくマンションは決まって、それが浦和だから浦和に引っ越す。浦和という町は、熊谷に住んでいたころから知らない街で、印象がない。熊谷からの高崎線は浦和に止まるけど、浦和駅の構造上、街の様子が見えない駅で、よくわからなかった。県庁がある。伊勢丹がある。最近きれいになった。以上。
買ったマンションは駅から13分ぐらい歩く。途中に商店街はあるけど、かなりさびれていて、不味そうな和菓子屋とか、もうダメそうなテーラーとかがあるだけで、なにも期待できない。おばさんが思いつきで始めたような和小物とカフェみたいな店があるのだが、それがまた場末感を強めている。
マンションにはサブタイトルがついていて、「Oxford House」と書いてあった。入口あたりに重厚な英国調の内装に革張りのソファが置いてあるけど、そこだけ。一歩はいると101号室の窓にすだれがかかっているからいい加減だ。
よく思うんだけど、日本って、マンションという住処をうまく消化できてないんじゃないかと思う。集合住宅と言っておけばよいものを、マンションとか言い出してから、訳が分からなくなってる。だからフランス語の名前を付けてみたり、いきないOxfordとか言い出したりする。うちもマンションの名前はフランス風なのに、サブタイトルがOxfordで意味が分からない。普段友達を連れてこない息子が珍しく友達を招いたら、母親が料理をがんばりすぎて刺身と牛丼を同時に出す感じだ。
部屋はよい。日当たりと風通しと隣の人の感じがよい。隣のおうちには、中学3年生の男の子がいるというので、夜中にパンクを爆音でかけたりして、思春期のもやもやをぜひ期待したい。今の隣人はイケメン大学生で、遊びに来る女性が複数いたにもかかわらず、刃傷沙汰にならないのでがっかりしていた。中学3年生にあられましては、是非とも本懐を遂げてほしい。
閑話休題。とにかくその、刺身に牛丼みたいなマンションで暮らす。